2018年5月2日水曜日

朝鮮戦争終結宣言をトランプ大統領が祝福する意味。■赤化統一に突き進む韓国


朝鮮戦争終結宣言をトランプ大統領が祝福する意味。




◆南北首脳会談という偽装平和工作

4月20日、朝鮮労働党中央委員会総会の「決定書」は大いなるイカサマ、世界を欺く偽装平和攻勢である。

北朝鮮の「決定書」

  • 核兵器開発を完了したと宣言する。
  • 核実験とICBM(大陸間弾道弾)の発射実験を2018年4月21日以降は中止し、核実験場を廃棄する。
  • 世界的な核軍縮のために、核実験の全面中止の国際的な努力に合流する。
  • 威嚇されない限り核兵器を絶対に使用しないし、いかなる場合も核兵器・技術を移転しない
このイカサマを見抜くためには二番目の「核実験場の廃棄」を見ればよい。

これは豊渓里(プンゲリ)核実験場のことを言っているが、相次ぐ核実験により坑道が崩落し使えなくなっている。ここはもう使えない。もともとここを廃棄して別の新たな核実験場を準備していたのであり、豊渓里(プンゲリ)核実験場の破棄とはまさにイカサマであることがわかる。

実際2008年北朝鮮は老朽化した寧辺(ニョンビョン)の原子炉冷却塔を自ら爆破し非核化をアピールし世界を騙した実績があるではないか。同じ事で騙そうとしている。

そのように「核実験場の廃棄」は詐欺でありカモフラージュである。残りの文面を見ると要するに国際社会は核保有国として北朝鮮を認め核保有国の国際会議に参加させろと言っている、これが本音であることがわかる。

米国の強固な非核要求の姿勢とトランプの米長会談快諾に怯えた金正恩は今回の4月27日の南北首脳会談を利用して米国に体制の存続を認めさせることに作戦を変えたとみて良い。その保証のために中国に命乞いをしたのである。(米朝対話に中国を巻き込む北朝鮮

「核実験場の廃棄」は韓国国民を手なずけるために、世界の世論を味方に惹きつけるために言い出したに過ぎない。

今回の4月27日の南北首脳会談もその一環、壮大なるショー、朝鮮半島の非核化宣言もその延長に過ぎない。
韓国保守政党や保守系メディアは「偽装平和攻勢だ」とこれを見抜いていた。

ところが青瓦台(韓国大統領府)は北朝鮮の表明を直ちに歓迎し、今回の4月27日の南北首脳会談を押し進めた。文在寅を支援する左派メデア、ハンギョレ新聞と聯合ニュースはこれを称賛していた。
そして今この南北首脳会談というペテンにほとんどの韓国人がはまり「朝鮮半島の春―平和共存時代の到来」を信じ夢のようだと涙を流しいる。

この首脳会談で「朝鮮半島の非核化」「南北朝鮮戦争終結宣言」をし「北朝鮮が核から経済へと路線を転換した。」「経済制裁を緩和し、世界が南北経済支援にするようにしなければならない。」そのような声が既に高まっている。

このような文在寅政権が目指す高麗連邦統一国家の実現、つまり朝鮮半島赤化統一にむけて韓国はまっしぐらである。既に始まっている保守派右派の粛正に拍車がかかるのは間違いない。

◆なぜ北朝鮮は南北首脳会談を受け入れたのか?

北朝鮮は米国を交渉相手と見なし、韓国は無視していたのは周知の通りである。
にもかかわらず南北首脳会談を受け入れたのは、トランプ大統領が本当に北朝鮮を攻撃をするかも知れないという恐れであった。
米国の軍事的圧迫が目の前で展開される間、北朝鮮は驚くほど挑発を控え、米韓の軍事動向を注視し続けた。経済制裁に加え、「北朝鮮の完全な破壊」までも国連の場で明言したトランプ氏に対し、金正恩氏は焦りを覚えた結果、韓国を盾にする平昌オリンピック平和工作に転じた。

しかも金正恩委員長がまさか受けるはずは無いと思って提案した「米長首脳会談」をトランプ大統領が快諾したが、この思いもしなかったトランプ大統領の「対話のワナ」、「トランプ・トラップ」に怯え、南北会談を熱望する韓国を盾にしようとしているだけである。

それほど金正恩委員長が恐れたトランプ大統領の考えはとは何か?
まず米朝首脳会談でトランプ大統領は「即刻核廃棄」を迫るのは間違いない。
金正恩委員長が「イエス」と答えれば、トランプ大統領は「米国・国連の査察機関の即刻受け入れ」を迫るだろう。リビアを非核化したやり方である。
この「ノー」と答えれば、トランプ大統領は世界に経済制裁強化を呼びかけるであろう。
「イエス」と応えても「米国・国連の査察機関の即刻受け入れ」実現のためやはり経済制裁強化を世界に推進するだろう。北朝鮮側が「ノー」と言っても「イエス」と言っても経済制裁とともに空爆など実力行使に出る可能性もあるということである。

米朝首脳会談に応じなければこれもまた経済制裁強化である。
米国の言うがままに完全公開の完全非核の道以外はどう転んでも経済制裁強化と軍事的制裁の恐怖から逃れることが出来ないのである。
このような米国のトラップ罠にまんまと北朝鮮が掛かったからトランプ大統領は北朝鮮の「核実験などの中止」宣言というペテンに対しても、トランプ大統領は「歓迎する」とツイートしたのある。「本当だな」という威嚇である。間違いなく金正恩委員長は大変な恐怖を感じたはずである。

北朝鮮はいまだ、正式には米朝首脳会談に応じるとは表明していないが、また約束反故するつもであろうと偽装平和であろうと「最後宣告宣言」の場となる米朝首脳会談の開催を正式に北朝鮮が応じれば、米国が大歓迎するのは当たり前なのである。

マスコミはトランプ大統領が好戦家であり戦争を望んでいると書き立てたがトランプ大統領は元々対話路線であり、韓国朝鮮民族の意思を尊重するという立場であった。
トランプ大統領の考軍事的、経済的圧力はそれを有利に進めるための戦術で有り、これに左派も日本も韓国も北朝鮮も乗せられたのである。

*参照:中国属国化への道とも知らず恐怖政治へと突き進む韓国■平昌オリンピック以降の北朝鮮非核化への動き


4月18日のポンペオ国務長官の極秘訪朝をトランプ大統領がツイッターで公表したのも対話を熱望する証拠である。

◆米朝首脳会談に対する南北の戦略

米朝首脳会談快諾というトランプの罠、「トランプ・トラップ」に驚いた北朝鮮と歴史の主導的立場に立ったと錯覚した韓国は今回の4月27日、南北首脳会談で米朝首脳会談に対し次の作戦で出てきた。

1.南北共同によるマスコミ操作
まず第一に南北首脳会談の評価について韓国メデイアのみならず日本のメディアでも「非核化の約束を文書化できるかがカギ」と報じた。北朝鮮が過去結ばれた非核化などの約束は文書化してきたにもかかわらずである。
これは韓国と北朝鮮の共同戦略で有り、マスコミも「北朝鮮が本気で非核化を目指している」と報道するマスコミの姿勢、南北の工作を後押ししているからであり、韓国の多くの国民はすっかり騙され、日本でもそのムードがある。
韓国でのアンケート調査によると南北平和協定に賛成と答えた人が78.7%もいる。反対は14.5%であった。(4月18日調査結果
これでは世論として保守の意見は弱く、文在寅大統領の保守弾圧・保守粛正は容易であり、赤化統一に韓国の歴史は突き進むしか無い。

また世界中の左派もこれに載せられ世界世論を惹きつけることにも成功している。

2.南北と米国の3者、または南北と米中による4者協議という攪乱作戦

そして、まさか受けるはずがないと高をくくっていたトランプ大統領の米朝会談快諾に驚いた北朝鮮が、この米朝の直接会話をで結論を先延ばし、あるいは会談の話を攪乱するために画策した作戦が、米国、あるいは中国を交えての4者協議である。要するに米朝首脳会談において「非核化」を論議することを避けるため、時間を稼ぐための作戦である。そして中国名があるのも北朝鮮が命乞いした中国の後ろ盾をもって米国の立場を弱くし逃げ切りたいからである。

この作戦通りに事がうまくいくかどうかは、その米国と中国がどのように話しているかが大きなポイントである。よって米国と中国が北朝鮮の非核についてどのように話しているか次に見てみる。

◆中国と共同し南北韓国朝鮮を包囲する米国

結論から言うと、三者会談、四者会談と米国、中国を捲き込んでこれら大国をも楯にしょうとした今回の南北首脳会談ショーは米国と中国は冷酷に包囲網に対するせめてもの抵抗に過ぎない。

米国と中国は協議し、北朝鮮崩壊後の難民受入を中国と米国は話し合っている。

「中国は難民問題への準備を進めており、上手に処理するだろう」
「何かが起きた時、我々(米軍)は南北の軍事境界線を越えざるを得ない。これに関しては中国と話し合い済みであり、我々は状況により38度線の南に引き上げると中国に保証している」
これはテイラーソン前米国長官の発言だ。
更迭されたとはいえ中国との会話の内容は興味深い。

これに対し中国報道官は「米国側が言及したことに何の意見も無い」と言っている。

現実に中国人民軍が北朝鮮国境沿いに集結している。

つまり米中は金正恩体制崩壊後の軍事行動について密約を交わしてということを米国は堂々と語り、中国外交部がそれを事実上肯定しているのである。

「もっとも重要なことは核兵器の確保だ」「我々は中国とそれをどう実現するか話し合ってきた」
これもテイラーソン前米国長官の発言だ。

核兵器を北朝鮮は手放すつもりはないことは中国も米国もわかっている。
60発の核弾頭を北朝鮮は保有していると思われるが、ではどのようにして非核化を実現するのか。

米国が北を攻撃したとしても空爆であり、核弾頭や核兵器技術者の確保は到底出来ない。陸上からの制圧が必要であるがそれだけの大兵力を送ることはできない。
また米国の独断で北を攻撃すれば中国との衝突は避けられない。
つまりこの「中国と核兵器の確保を中国と話し合ってきた」という発言は、自主的非核化はほぼ無いことを見越した米中が、北朝鮮を米国が攻撃する場合、空からの攻撃は米国空軍と海軍、陸上の攻撃と核とその技術の確保は中国人民軍という米中共同の北朝鮮攻撃、もしくは中国単独の北朝鮮攻撃について話し合われたと考えて良いだろう。

しかもランド研究所によると米国と中国との間で北朝鮮分割案まであると言われている。これが実現すれば北朝鮮の一部あるいは大半が中国領土となり、南北高麗連邦統一国と言っても領土が縮小された南北統一という可能性がある。
つまり統一朝鮮と言っても中国の属国であり、大部分の高句麗の土地を失った形の新羅の朝鮮統一に似ている。


この米中の密約に北朝鮮の恐怖がいかほどか想像するに堅くは無い。
だから金正恩委員長は習近平に泣きついたのである。

ところが中国は3月末に訪中した金正恩委員長を歓迎し良好な中朝関係を演出したが、その後の2018年4月8日、大量破壊兵器に関連する物品や技術などの北朝鮮向け禁輸リストを公表という北朝鮮の機嫌を損ねる行動にでた。
米国や国際社会に協調しているふりをみせただけという見方もできるが、それよりも中国は、米国と先のような話し合いがあるから中国側からの米国への、その話し合いを実行するという意思表示であると見てよい。
                *参照:米朝対話に中国を巻き込む北朝鮮

◆朝鮮戦争終結宣言をトランプ大統領が歓迎する意味

文在寅大統領と金正恩委員長が「朝鮮戦争は終結した」と宣言することは多くの人が予測し保守派はこれを警戒していた。
なぜなら休戦状態に対応するという在韓米軍の存在意義も米韓同盟の意味も無くなり米国軍が韓国から撤退することになるからである。

そしてその警戒した通り4月27日の南北首脳会談の「板門店宣言」にうたわれた。

「両首脳は、韓半島にこれ以上戦争はなく、新たな平和の時代が開かれたことを8千万の我が同胞と全世界に厳粛に宣言した。」
③南と北は、休戦協定締結65年になる今年に終戦を宣言し、停戦協定を平和協定に転換し、恒久的で強固な平和体制構築に向けた南・北・米三者または南・北・米・中四者会談の開催を積極的に推進していくことにした。
④南と北は、完全な非核化を通じて核のない韓半島を実現するという共同の目標を確認した。

一方トランプ大統領は4月17日、安倍首相と会談した後「南北首脳会談で朝鮮戦争を終結させることができるかもしれない。それを祝福する」と言っている。

これは驚く発言では無い。前述したとおり、今まで記事を書き続けたように、保守派の心配と裏腹に、その心配のことをつまり、トランプ大統領は韓国の正式要請があれば在韓米軍撤退、米韓同盟破棄をすることも視野に入れているからである。
そしてこれは米国が北朝鮮非核化を具体的にどうすすめるか話し合ってきた習近平主席に向けて話し合ったとおり「在韓米軍撤退、米韓同盟破棄」を進めるという意思表示でもある。

何度も取り上げるが、トランプ大統領は習近平主席との首脳会談後「北朝鮮ではなく、韓国は中国の一部であった。(Not North Korea, And Korea actually used to be a part of China.)2017年4月12日」と言っている。

この意味は、習近平主席は歴史的な経緯から韓国は中国の勢力圏であると主張し、トランプ大統領はこれを公に語ることでトランプ大統領はこの主張を承認したということである。 
もちろん米国として好ましくは無いが、米国は韓国を同盟国として信じることが出来ないゆえの判断である。

その上で、平昌五輪韓国において韓国がどのような行動をとるか、それが米国の最終的判断になることを述べてきた。

「南北首脳会談で朝鮮戦争を終結させることができるかもしれない。それを祝福する」これがトランプ大統領の最終的決断である。これは上記に述べたように米中は共同で南北朝鮮に取り込む、そのために「在韓米軍撤退、米韓同盟破棄」を進め、その後の朝鮮半島は中国に委ねるという習近平へのトランプ大統領のメッセージでもある。
つまり北朝鮮も韓国も米国と中国の掌の上で踊らされているに過ぎない。

朝鮮戦争が終わる! 今、韓国で起きていることに米国は誇りに思う。

南北首脳会談で提案した3者会談もしくは4者会談の提案は米朝首脳会談での「非核化」の論議を避ける、或いは中国という後ろ盾を得るための作戦であることは先に述べた通りである。
それを、「朝鮮戦争が終わる!南北首脳会談は米国の誇りだ」と祝福したのも、上記と同じ脈絡である。

つまり、習近平主席の「韓国は中国の勢力圏であるという主張をトランプ大統領は承認し「在韓米軍撤退、米韓同盟破棄」を進めるという意思表示を習近平主席に送ったのである。その先にあるのは、米中共同、もしくは中国単独の北朝鮮非核化作戦である。もちろんその苦労の見返りは北朝鮮分割、中国属国南北高麗連邦の承認である。
これは先に中国が金正恩委員長大歓迎後すぐに大量破壊兵器に関連する物品や技術などの北朝鮮向け禁輸リストを公表をもってトランプ大統領にその意思表示を示したことに対する返信とみてよい。

南北が時間を稼ごうが、攪乱しようが、それとは関係なく米国と中国はこのような米中共同作戦を進めることにしたと見て良いだろう。既に、中国人民軍が北朝鮮国境沿いに集結して事に備えている現実を直視すべきである。

その中国に泣きついた北朝鮮、そしてそれを異例の好待遇で迎えた中国。怖ろしいのはそのように好待遇で受け入れた中国の本当の意図を北朝鮮が悟ったとき、つまり中国に利用されているだけであることを北朝鮮が確信したとき、自暴自棄の怖ろしい行動をとることも想定せざるを得ない。
                 
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主参考文献: 早読み 深読み 朝鮮半島など
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